科学論文紹介

ミトコンドリアへの蛋白質輸送に関わるユビキチン化システム

acworksさんによるイラストACからのイラスト

論文タイトル:Dynamic Regulation of Mitochondrial Import by the Ubiquitin System (Molecular Cell)

ミトコンドリアへの蛋白質取り込みにユビキチン化システムが関与しているという報告(pubmed)。

まず、脱ユビキチン化酵素であるUSB30の基質がミトコンドリアの内部に局在していることを示す。
次いで、USB30をKOもしくは薬剤により阻害したところ、それら基質がミトコンドリア取り込み途中の状態で蓄積することを示すデータが得られる。
ここで、USB30の基質をユビキチン化する蛋白質を探索したところミトコンドリア表面に存在するMarch5が同定される。
さらに、ミトコンドリア表面のタンパク質を分解する実験系(ProK処理)により、March5によりユビキチン化されるタンパク質はミトコンドリア表面に留まっている(ProKにより分解される)ことが示された。

つまり、「March5によるユビキチン化→ミトコンドリア表面に係留→USB30による脱ユビキチン化→ミトコンドリア内部への取り込み」という流れで、ユビキチン化システムがミトコンドリア内部への蛋白質取り込みを担っているという訳。
プロテアソームへのユビキチン化蛋白質の取り込みと似た機構なのが、興味深い。