科学論文紹介

アンチセンス核酸はRNA転写を早期終了させる

buraridaさんによるイラストACからのイラスト

論文タイトル:Antisense-Mediated Transcript Knockdown Triggers Premature Transcription Termination (Molecular cell)

アンチセンス核酸(ASO)が産生中のnascent RNAにも作用し、その結果、転写が途中で止まってしまうという報告(pubmed)。

まず、筆者らは、ASOによる標的RNAの切断誘導(RNaseH依存的)が、完成したRNAだけでなく産生中のRNAにも作用することを示す。
さらに、Pol II に対するChIP-qPCRにより、ASOの標的サイト以降の配列においてPol IIの量が減少すること、すなわち、転写が途中で止まっていることを示唆するデータが得られる。
ここで、筆者らは、XRN2(*)による5’→3’ RNA分解がASOによる早期転写停止を担っているのではと仮説を立て、ノックダウン実験を行なったところ、見事、早期転写停止が見られなくなった。

つまり、ASOが産生中RNAの切断を誘導することで、早期に転写を停止させることを示した。

(*)通常の転写では、Pol IIがpoly A site(PAS)を通過した後、転写中RNAがPASにおいて切断される。切断により遊離したRNAの3’側にはpoly Aが付加され分解から守られるが、Pol IIに残ったRNA(PASよりも5’側)は、XRN2による5’→3’分解を受ける。このXRN2によるRNA分解が進むと、Pol IIはDNAから解放され、転写が終了する。