とかとか

学振の研究遂行経費が余った場合どうなるの

toraemonさんによる写真ACからの写真

研究遂行経費とは

皆さんご存知の通り、学振に採用されると、研究奨励金(給与)と特別研究員奨励費(研究費)を頂くことができます。研究奨励金は給与として振り込まれるので、所得税や住民税を支払う必要があります。 つらい、、、

ところで、特別研究員に採択される人の中には、研究奨励金も使って研究するんや、というもの好き真面目な方もいて、そういった場合のために、研究遂行経費という制度が設けられています。

研究遂行経費を希望すると、研究奨励金の3割が経費として扱われ、課税対象外となります。

名前がややこしいので勘違いしそうですが、確定申告をして課税額を減らすわけではありません。そもそも研究奨励金は給与ですしね。

じゃあどういう仕組みになっているのかというと、3割が研究遂行経費(非課税)、残り7割が研究奨励金(課税)として月々振り込まれるようになります(通帳には、まとめて給与と記載される)。従って、源泉徴収票に記載される支払金額がそもそも7割になるという訳です。

研究遂行経費を使い切れなかった場合

という訳で、3割があらかじめ研究遂行経費として振り込まれてくるわけですが、使い切れなかった場合どうなるのでしょうか?

日本学術振興会が出している資料(link)によると、追徴課税の対象となるそうです。

Q12.研究遂行経費としての支出額が当該年度の研究奨励金額の3割未満しかありません。

A.研究遂行経費としての支出額が当該年度の研究奨励金額の3割未満であった場合は、追徴課税の対象となりますので、平成28年度の活動を振り返り、研究遂行経費の計上漏れが無いようにしてください。

これを読むと、罰が与えられるのかなと感じてしまいますね。ただ、資料別紙の「研究遂行経費としての支出が当該年度の研究奨励金額の3割未満であった場合(追徴課税あり)の例」をみると、不足分から計算して源泉徴収するという旨のよく分からないことが書いてあります。

よく分からなかったので、参考になるページはないかとブラウジングしていたところ、いくつかのページ(link)(link)で、使い切れなかった研究遂行経費は賞与として給付されたことになるという記載を見つけました。資料別紙の例をみると、乙欄の税率が採用され10.210%が源泉徴収されているので、確かに賞与として扱われていますね(国税庁平成31年分源泉徴収税額票を参照 link)。

つまり、何か罰が与えられるのではなく、使い切れなかった分は、次年度の賞与という扱いになって、次年度に徴税されるという訳です。

それならそうと書いてくれれば分かりやすいのに、、、

研究遂行経費を使い切れなかった場合の例

分かりやすくするために、以下の例で考えてみます。

・平成31年4月〜令和2年3月
・DC1/DC2に採択されて1年目の特別研究員
・研究遂行経費として48万円しか使えなかった

なお、この例は、「使い切れなかった研究遂行経費は賞与として給付さたことになる」ことに基づいて、私が勝手に考えただけなので、間違っているかもしれません。悪しからず。

さて、DC1/DC2の研究奨励金は240万円なので、48万円は2割に相当します。つまり、1割分に相当する24万を使い切れなかったわけですね。

この24万円は、令和2年の賞与という扱いになり、源泉徴収票に記載される支払金額は以下の様になります。

平成31年: 14万円 x 9 (給与が振り込まれた月数)
令和2年: 14万円* x 12 (給与が振り込まれた月数) + 24万円
*令和2年4月~令和3年3月でも、研究遂行経費を希望した場合。

当然、国民健康保険料も変わってくるので注意が必要ですね。

それで、賞与として扱われる24万に対して、令和2年の6月に源泉徴収が課されます。

上記の例では、来年も特別研究員なので、「 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 」を日本学術振興会に提出するはずです。なので、源泉徴収税額表の甲欄が採用され、24万の4.084%に相当する9792円が源泉徴収として、給与から差し引かれます。

なお、令和2年度で辞退する場合、もしくは、終了する場合は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を別の(主たる)給与の支払者に提出することになります (終了後そのままPDになる場合は除く)。従って、源泉徴収税額表の乙欄が採用され、24万の10.21%に相当する24504円が源泉徴収として、給与から差し引かれます。
まぁこれは、明らかに取られすぎなので、確定申告で戻ってくるでしょう。

ここまで具体的に計算したくなければ、使い切れなかった研究遂行経費は、来年に普通に課税されると考えておく、くらいでいいでしょう。
日本学術振興会は72万円使う予定がないなら研究遂行経費を希望するな、と言っていますが、ある程度使う予定があるなら、希望した方がお得な気がします。個別具体的に計算しないとなんとも言えませんが、、、